2025年 ステート・ストリート データ調査
2025年ステート・ストリート データ調査 によると、世界中の機関投資家が、データ、テクノロジーおよびオペレーションを統合的に管理・活用する「包括的データ戦略」の採用を加速させていることが明らかになりました。
2025年11月
小林 浩
ステート・ストリート信託銀行
ジャパン・カントリーヘッド
取締役副会長
不確実性の高い市場環境において、膨大なデータを管理し、そこから有益な洞察を導き出す重要性がますます高まっています。データ活用・管理に関する前回の調査を踏まえ、今回は世界中の資産運用会社、アセットオーナー・保険会社・ウェルスマネージャー900社以上を対象とした調査を行いました。同調査により、先進的なデータ戦略への投資が、資産運用業界における重要な優先事項となっていることが明らかになりました。
多くの機関投資家は、包括的データ戦略がもたらすメリットを高く評価しており、市場環境の変化、顧客ニーズ、規制要件の進化に迅速に対応するための鍵と捉えています。日本の資産運用業界も、こうした流れの中で大きな進展を遂げており、テクノロジーへの投資を加速させています。調査によると、日本の回答者の64%がテクノロジーへの投資を増加させており、これは世界平均の52%を上回っています。また、60%の日本の機関投資家は、研修を通じて従業員のデータやテクノロジーの専門知識向上に取り組んでいます。
さらに、日本の機関投資家は生成AIの価値にも注目しており、58%が「投資目標の設定」においてAIがフロントオフィスで大きなメリットをもたらすと回答しています。
本レポートでは、各地域における機関投資家の包括的データ戦略への体制を紹介するとともに、経営幹部が目指す収益向上・投資リターンの最大化・運用コスト削減の実現に向けた取り組みについての洞察を提供しています。また、企業が持続的な競争優位性を確保するために、優先的にテクノロジー投資をしている分野についても明らかにしています。
回答者の80%が、包括的データ戦略をすでに導入済み、または現在導入中
回答者の32%が、バックオフィス・データ強化をビジネス上の優先事項のために活用
回答者の60%が、生成AIが投資目標の設定に大きなメリットをもたらすと回答